
もしもピアノが弾けたなら
昭和の名曲である。
俳優の西田敏行さんが、妻に先だたれた社カメの役で、毎度毎度編集長とバトルを繰り広げながら、あっちぶつかり、こっちぶつかり子育てに奮闘するホームドラマの主題歌。それが「もしもピアノが弾けたなら」という曲だ。
“もしも○○だったなら”。私はこの手の妄想をあまりしない。特に自分の人生のことではなおさら。もしも高校時代に戻れたら、もしも20歳の頃に戻れたら・・・。こういうやつ。当然、“もしこの仕事についていなければ・・・”という質問も。
ただ、ほんの数ヶ月前に緊急事態宣言が発令され、ステイホームを余儀なくされたときに、ふと思った。
「もし仕事を失ったら、何をする? いや、何ができる?」
そう考えたとき、今までのキャリアをすべてリセットしたいな。単純にそう思った。
師匠がいることが前提の業種、業界でゼロからやってみたい。どうせ独身だ。一人で食べて行けるだけの給料があればいい。美味しいものも食べてきたし、素晴らしい芸術にも触れてきた。これはずっと私の心の中に残る。
この年齢で阿呆極まりない発想だが、一人で考える時間が増えると、極端な思考へ向かいがちになる。友達がいても、両親がいても、それは変わらないのではないか。
