もう少し繊細さがほしい

「傷だらけの男たち」を鑑賞。
いろいろ話題だったのに、観ていなかった金城作品。
この作品は、面白いのではないかと期待して、私の金城祭りクライマックスにとっておこうと、ずっとガマンしていた1本でもあるので、ワクワクしながら鑑賞会開始。

結果、面白かったですが、期待値よりは低めの感想。

香港の素敵な街並みなど観光ビデオとしても楽しめるかと思うのですが、ストーリー上、キャラひとりひとりもう少し繊細な心の機微を丁寧に描いてほしかったかなーと。香港や台湾、中国映画どれに対しても共通して感じることですが、つじつまが合ってない、唐突すぎる展開が、私的には大味に映ってしまうんですよねぇ。残念。
ということで、今回のお話は簡単に言うとトニー・レオン演じるヘイの復讐劇。しかもど頭からヘイが犯人だとわかった状態で物語は進んでいき(古畑系ね)。そのナゾ解きを金城さん演じるポンが担うという展開なので、犯人の深層心理に引き込まれなければ、終始退屈な結果に・・・。そこに、ポンの過去がからんできたりするのですが、肝はやっぱり、ヘイの心にある重く暗い過去なわけで、ここが大味だと、なんとなく物足りなさが残ってしまうんですよね。

と、まぁ、文句ばかりではありませんよーー。
映像にある空気感とか映像そのものは好みでした。トニー・レオンの演技も繊細で丁寧です。←だから勿体ないのよーー
あとは、スー・チーさん演じる、フォンとポンのシーン。バドガール的なスー・チーさんですが、いちいちポンに対する態度がチャーミングでかわいいです。
そして、ラスト。個人的にこの終わり方、好きです。このラストについては二分すると思うのですが、私はアリ派です。

余談ですが、本作品、金城さん的には彼のルックスのよさがかえって裏目に。トニー・レオンが極上で重厚な演技を魅せてくれるので、どうもしまらないといいますか。いや、金城さんの演技がうんぬんではなくて、もう完全にビジュアルの問題。こういうとき、二枚目って損ちゃいがちだねぇ。ま、金城さんPV的にはバッチリ男前なので、鑑賞の価値は★★★
どこかのインタビューで読みましたが、ご本人、本当に飲んで撮影していたそうです(笑)。