奥深い装丁
トッパンのP&Pギャラリーで行われている「日本とドイツの美しい本展2006」を観に。
ドイツのデザインって文具やキッチン雑貨などに代表されますが機能的でゴツイわけでして、だからこそライカが異色を放っているように見えていた私なんですが、そんなキモチでフラっと前述の展示に行きましたら、火傷しました(爆)。
新しいデザインの風がドイツではびゅんびゅん吹いているようです。
手堅いんだけれど、そぎ落とされた美というか、やはりドイツの特徴でもある機能美は残しつつ……とでもいいましょうか、本の内容・中身無視ではなく、その本の持つ魅力を邪魔しない装丁、ツカの部分などのデザインまで洗練されていました。
売れる装丁、という意味ではありません。あくまでも“洗練されたクリエイティブ要素のある”装丁ということで。
私の友人も書籍の装丁をしていますが、本当に毎度毎度悩んでいます。帯がつく場合とつかない場合、縦書き(右開き)、横書き(左開き)などなど。
CDのジャケ買いではないですが、本の装丁買いというものも存在します。ただし私の経験上、装丁買いはジャケ買いよりかなりリスキーです。なぜならば、ハズレの回数(失礼な言い方なんですが、妥当な表現見当たらず。すいません)の確率が多いからです。
あくまでも私の場合はですが。
それだけ、私が装丁からイメージする本の内容と実際の本の内容が離れているってことが多いということでして、単純に私がマイノリティなだけかもしれませんので、あしからず。
そう考えると装丁は、それだけでその本の内容を完結に表わさねばならない、めちゃくちゃ高度なデザイン技術を要するわけでして、以前情熱大陸で、鈴木成一さんが出ていた際にも思いましたが、私たち編集者なんかよりも全然作品を理解しているのではないかと感じます。
装丁で作品を語る
私にはとうてい無理な仕事です。
文字であらすじを書いて、こんなお話ですよ。と伝えることのほうが、とても簡単だもの。