世界でたった一人だけでもファンを名乗ろう!

小さい頃(多分中学生頃まで)は、友達と一緒がすきだった。
「○○ちゃんが持ってるから、私もあのねり消しが欲しい」。
「■■ちゃんとオソロイ~」
誰かと同じことに、アイデンティティーを感じていたんでしょうね。
人と同じことをしたり、同じものを持つことが人とウマくやっていく手段のひとつだったとも思っていて、そこから外れると、仲良しグループから外れたような気分になって、子供ながらに「それってそんなにかわいくないよ」って思っていても、「かわいいよね(ハート)」なんて言ってました。阿呆ですな。

多分、中学3年の頃から、私の中にあるこのアイデンティティーがだんだん崩壊していったと思います。
一番の理由は当時付き合っていた彼の影響だけれど、二番目は“人と違うこと”がしたかったってコト。
だから私はバンドブームのさなか、高校に入ったと同時に「女だけでスカバンドやろうぜ!」とか言い出し、実際にやったりもしました。まぁ、これは軽く、中学生のときやっていた吹奏楽部のトロボーンパートじゃんけんの際、負けてクラリネットになってしまったリベンジもあるんですが。ホントに画にかいたような“スィングガールズ”みたいなノリで、全然、東京スカパラダイスオーケストラみたいなカッコイイ音が出せなかったです。
まぁ、その後は友達のバンド手伝ってキーボード弾いたり、ギター弾いたりしましたが、スタークラブ・ブルーハーツの楽曲で3コード以外の楽曲を弾くことはありませんでした(爆笑)。

えっと何の話してましたっけ?

あ、そうそう。アイデンティティーの崩壊の話。
結局スカバンドだって、ガワが違うってだけで、とどのつまりはバンドブームに乗っかって、また私は“みんなと一緒”の仲間になろうとしていました。
私が思う「人と違うこと」。っていうのは、自分の存在価値をそこに見出したいとか、そういうことはなくて、たったひとりでも、好きなものはスキと主張する勇気と、直感を信じられる心のことだったのかもしれないなぁ、なんて今は思います。

そして大人になった私は、世の中に放たれるよりもちょっと先に、ミュージシャンが大切に大切に作った音を聴くことができる状態にいます。だからこそ言いたいのです。

この人の音楽って素晴らしいよ、きっとみんなの中でも気にってくれる人何人かいると思うよ。って。