私的音楽のお返事

みなさま、メールフォームよりメール、ありがとうございます。
最近またちょっと音楽どっぷり系の仕事をしているせいもあって、それがらみの感想なんかもいただいちゃって、嬉しい限りです。
基本私は編集者ですので、原稿を書くこと(ライター仕事)はあまりないのですが、何故かライターとしてお仕事をいただくことが昔から多いです。ありがたいし嬉しいですけれど、私、文下手だよ。いいのか……。

さて、いただくメールの中でとても素朴というか、きっと不思議なんだろうな。と思っているご質問がありましたので、今日のネタにさせていただきます。※ありがとうございます。Yさん。
それは、

「ごっつさんはロックがお好きなんですよね。でも仕事でたとえば好き、というか好みの曲じゃないミュージシャンとかだった場合は大変ですよね」

というもの。

うふふ。これ、全然関係ないんですよ。ホントに。
音楽の聴き方って、1つじゃないんです。もちろんメロディがカッコイイ、自分の好み。って聴き方もそのひとつ。
でも、歌詞が最高、プレイが上手、ここでこんな音使うかー、こんなアレンジできたか、音を中域に集めて録音してるのかぁ。ツェッペリンみたいだなとか、2曲目と3曲目の曲間が前のめり感が出ていて絶妙だわとか、LとRの音の配置とか。
1曲とっても本当にいろいろな聴き方があるんですよ。
どんな音楽もそこにはいろいろヒミツ(アーティストのこだわり)が隠されていて、私は音楽を聴きながらそのヒミツを解いていく作業が、実は一番楽しいのです。なぜならそこにアーティストの本質があるからです。

基本リスナーとは勝手なものなので(いつの時代も)、楽曲の断片だけを捉えて、批判したり賞賛したりします。
そしてそうなったしまった背景には、私たちみたいな仕事の人間が、リスナーを育ててこなかった、音楽の楽しみ方をリスナーに教えてこなかったことにあるかと思っています。
いや、やりたくても時代的に企画がとおらなかった。って表現が正しいかもしれません。

今も思っていますが、昔はいろいろな音楽をみなさんに紹介することが仕事だと思っていましたが、今はそれのほかに、音楽の楽しみ方の幅を広げてあげる。ということを、よりいっそう強く考えている感じですね。
(haruhata.comでやらせていただいている、「SOUND TREASURE」が、まさにソレですね。本当に昔からやりたかったんです。こういう企画。だから通ったときニョッキリブイでした。)

音楽を聴くきっかけは確かにカッコイイとかだとは思うのですが、ひとつの価値観で音楽を捉えるのではなく、たまにはヘッドフォンでお気に入りのアーティストの音楽をよーーく聴きくらべてください。いろいろ発見があって楽しいですよ。
本当に耳のそばで弾き語ってくれているように聴こえるように録音されているCDとか、人の呼吸のリズムに合うように、メロディが計算されて盛り上がるように作ってある音楽とか、それこそアーティストの数だけそこにこだわりが見えたり、その年代だけを聴きくらべたりすると、あぁ、このときは、こういう音が流行っていたのかぁ。など流行も見えてきたりします。

自分がカッコイイと思うCDを聴きくらべても、自分のツボ(ギターがレスポールよりもストラトの音の方がすきなんだな、とか)がわかって楽しいかもしれませんね。