IT業界が求めている“編集者”。
ここ数年、IT企業の求人欄に
「雑誌、書籍の編集業務経験者歓迎」
という文字をよく見る。
以前から私は、この1文の掲載に、物申したかった。
まず1点。雑誌と書籍の編集者はまったく違う。ということ。
2点目、校正をするのが編集者ではない。
そもそも、現在の同業者でも、業務が細分化されその線引きがあいまいなのに、異業種である、IT業界のかたたちが編集者の仕事の内容を理解しているのか疑問であるし、正直理解しているとは思えない。
その理由として、わたしたちの業務を理解し、雇っているならばもっと良質なコンテンツが生まれているだろう。
それとも、やとっている編集者が都落ち組みなのか…。
雑誌、書籍の編集業務経験者歓迎。
この一文に惹かれて、転職する編集者は多い。
だが、実際入社してみると、編集者として雇われた自分の意味を見出せないという話をよく聞く。より見やすく、1ページ(もしくは全体)というエリアを使用し、注目されるようなデザインの黄金比や紙に載せたときの色の黄金比というものは確実にある。それは、代々というとおかしいが、編集者やデザイナーは先輩から教えてもらい、勉強している。職人の技といっていい。
特に、印刷物に落とし込む場合、紙の仕様(均量や種類)によって出る色の濃淡を計算し、それを見越して写真や色などをセレクトする作業は、もう経験しかない。
たとえば、現場で上記の問題を指摘をすると、デザイナーの意見のほうが大きく、(web業界の場合、社内おかかえならば、デザイナーやフラッシャーのほうがなぜか大きな顔をしている場合が多いので。。まだまだweb業界では、編集費用がデザイン費用よりも少ない。絶対おかしい)、編集者の意見はなかなか言いにくいというのが実情だと思う。
実際、私も大手広告代理店のwebに対する編集意識レベルの低さに辟易している。
見た目重視、スピード勝負というIT業界のクリエイティブの風潮。
上記にあげた経験者を募集しているIT企業が求めているものは、編集者ではなく、進行管理者と校正マンだと感じるのは私だけだろうか。もちろん便利屋でもない。
少なくとも編集者と呼ばれている人は、進行管理も校正もでき、それにかかわるすべての業務を把握し、発注し納品できるスキルはデフォルトで持っているはずだ。事務職に求められているワードやエクセルのスキルと同等。
では編集者にそれ以外に求められることってなんだ。
とおりやすい企画書を書ける人、新しい仕掛けを考えられる人、めちゃめちゃ顔が広い人、そして、IT業界で編集スキルを活かしたいのなら、最新のネットサービスに詳しく、それをコンテンツに落とし込める人・・などだろう。
少なくとも、私はそう思っている。
だからこそ、いずれくるその日のために、IT系専門誌編集部で勉強をしたいと思ったことがあった。
新しいサービスが生まれる。そしてそのサービスを活かし、紙では実現できないが、webだと実現可能なこととは何か。またどこに落とし込んだらいいのか。
紙でできることと、できないことを知っている私たちこそ、やらねばいけない仕事。
当然、もっとテクノロジーに詳しいシステム人や、開発の人に話を聞いて、企画を具現化していく。その過程でますますいい企画が出るかもしれない。
願ったりかなったり。
個人的には、IT企業が編集者を採用する意味は、ここにあると思うが。
自分もいつあちら側にいくかわからない。
しかし、私は進行管理者や校正マンではない。
あくまでも編集者。しかもフツー。
真剣に読んでしまった(笑)。
編集マンは雑誌(担当ページ)の司令塔的存在。
雑用係扱いだなんてとんでもない。
外注スタッフに物を申せない御時世だなんて悲しすぎるゾ。
歴史ある(?)紙媒体のノウハウを持ってこそ「人に読ませる」という技術を革新、提供していけるのではないかなぁ~。なんて。
頑張れ、紙媒体!雑誌編集者!!!
>「人に読ませる」という技術を革新、提供
これが編集の基本だぁよね。
んだんだ。
雑誌ってさ、自分の財布が苦しいときってあまり買わないものなんだよね。残念なことに。
初めて自分が作った雑誌が店頭に並んだときのことって覚えてる?
なんかそんな話したいやね。
とにかく作品に関われたことに感動をしていたヨ。
売行きや部数、会社の利益なんて二の次。
たった1人の読者でも見てくれる人がいるということがパワーの源だった。
純粋だったよね・・・あの頃の自分達。
発売日にコンビニや書店を走り回った自分が懐かしいワ。
ご訪問ありがとうございました。フリーの編集者は、媒体のニーズ把握から営業能力とかコミュニケーション能力も必要とされているような気がします。紙媒体だからこそ、楽しい部分は失われないと思うのですが、やっぱり淋しいお財布から出費してまで読ませる雑誌が少ないのは悲しいかな・・・。しかし、しばしば、「おっ!」と言わせる記事と出会えると嬉しい限り。切り抜いてでも保存したくなる時はハッピーになりますね。無理はしないように、頑張ってください。